コボレ恥之介と 石の下でさざめく記事たち

元・マンガ家志望。小説・映画・漫画の感想や表現技法の勉強、自作品の批評など。僕がアウトプットするためのブログです。

祖母→母→娘の継承譚?!『ドラゴンクエスト5』感想

タバサちゃんっていらなくない?

 


言わずと知れた名作・ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』(スクエア・エニックスについて今回は語らせていただこうかと思います。
僕はこのゲームを女性の成長譚という観点で語ります。


【※ネタバレ注意※】

 

 

 

 

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このゲームのキモと言える部分といえば、中盤でのお嫁さんを選ばせていただく場面ですね。(僕なんぞが選ぶなんて言ってはおこがましいが……!)
昔からビアンカか、フローラか?」という議論は「きのこの山vsたけのこの里」論争と並ぶ白熱ぶりをしていらっしゃるようですし。

実は僕はドラクエ5はリメイクのDS版が初プレイ。なので三つの選択肢を提示されています。ビアンカさんフローラさんあとついでにデボラさん。

 

 

僕もお嫁さん選びにはかなり迷わせていただきました。
現実の僕が選ぶとしたら確実にフローラさんです。柔和で大人しい性格は引っこみ思案な僕のことを温かく包みこんでくださりそうだし。あと普通に金持ちだし。
しかしビアンカさんも選びたい。何故なら僕は美人お姉さんが大好きな、重篤なおねショタ病患者だからだ。ちょっとだけ気が強いくらいほうが、僕のようなウジウジした情けない奴を優しく先導してくださると思うし。
……デボラさんは…………うーん……あんまり交流のエピソードがないというか…………「邪魔よ」って言われたり住民から煙たがられたりしてて怖いんだよなぁ……。パーリーピーポーだから二次元であっても苦手な部類に入るし、三次元だったら同じ空間にいるだけで萎縮してしまうし…………。この先一緒に旅するのは不安しかないからなぁ……。


っていうかこれどう見てもビアンカさんを選ぶ流れじゃないですか。幼馴染だしパッケージに出てるし。よし決めた。僕の結婚相手! それは……

 

 

 

 

 

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デボラさんです!!!!!!

 

 

 


ビアンカさんじゃないんかい!

 

 

 

 

 


はいそうです。途中までビアンカさんにするつもりではあったのですが、やっぱり……と思ってデボラさんにプロポーズさせていただきました。
デボラさんは苦手だけど、だからこそ何を考えてるのか知りたかったんですよ。現実世界で苦手な部類の人と交流するためのトレーニングにもなりますし。

 


とはいえデボラさん、町の人からの評判は最悪でしたね。
「あの娘は蛇じゃ」「あんな人と結婚したらとんでもないことになる」「近づかんほうがええ」
母親からも「あの子と結婚したら不幸になる」なんて言われる始末。
彼女の両親から「デボラが結婚できるなんて夢みたいだ」という風に大歓喜を食らったときには「やっぱりビアンカさんにすべきだった」と強く思いました。

 

 

しかし物語を進めるにつれ、彼女は別の扱いをされていきます
彼女は主人公の生まれ故郷・グランバニアにてしばらくすごした後、一度囚われの身となり、長い月日の後に再びグランバニアに足を運ぶことが叶います。
そのときグランバニアの人々は皆がそのことを喜びます。
「デボラさまが帰ってきた!やったー!」
と。

デボラさんは前述の通り、彼女の故郷では散々に煙たがられておりました

それが何ということでしょう。「やったー」と言って町人が踊り回っているではありませんか。
彼女は「自分のような美しい女が帰ってきたのだから当然」と高慢な態度を崩しませんが、どこか嬉しそうです。

 

そしてデボラさんを歓迎する者は、他にもおります。
デボラさんの娘・タバサちゃんです。

 

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(※ちなみに、タバサちゃんが産まれたのはデボラさんがしばらくグランバニアにいたときです)

 

彼女は母と再会できたことを涙して喜びました
別のときには「お母さんが髪の毛にリボンをつけてくれたの」と嬉しそうに報告してくれます。

デボラさんもタバサちゃんの態度に応えるように、タバサちゃんがピクニックがしたいと言えば「お母さんが弁当を作ってあげるね」と優しく語りかけたりします。
攫われていた間に子供の成長を見られなかったことを悔やんだり、大切な家族を悲しい目に遭わせる大魔王が出現したと知れば本気で怒る。
すべての人を敵と見なす高圧的な過去の姿とは大違い

家族を得て、彼女は居場所を見つけたように見えました。

 

 

 

この人を選ばせてもらえてよかった。
この人の居場所になれてよかった。
私は心からそう思います。

 

 

 

……もちろん結婚だけが女性の幸せだとは自分は一切思いません。ただ、少なくともデボラさんは、新しい出会いによって自分を成長させられたのは確実です。その過程にたまたま結婚があった。それだけです。
彼女は結婚後のほうが生き生きしているようだし、結婚後の自分に満足しているようにも思う。


最後に彼女は特大のデレも見せてくれましたね。詳細はゲーム画面にて、ご自身で確認してみてください。

 

 

 

さて、デボラさん語りはこのくらいにして本題へと移りましょう。

このゲームの大きな軸のひとつは「親子三代による継承」です。
本筋は主人公の父から受け継いだ勇気を持って主人公が闘い、その勇気をさらに引き継いだ主人公の息子もが悪に立ち向かっていきます。(※先ほどは説明の都合で触れませんでしたが、タバサちゃんには双子の兄がいます)

 

 

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女性側も同様に、継承が行われていると言えるのではないでしょうか。
主人公の母・マーサと会ったときのことを、デボラさんは「敵わないと思ったのは生まれて初めてだ」と語り、「あんたのママを目指してもっともっと強い女になる」と強い決意の言葉を発しました。
このときデボラさんは、「強い愛」をマーサさんから継承したのです。


ビアンカさんルート・フローラさんルートを自分はまだ拝見できていませんが、「マーサさんから主人公の妻への継承」は行われていると思っています。
そしてきっとこの受け継いだ「強さ」は、後にタバサちゃんへと継承されることでしょう。

 

 

最初このゲームをやったとき、正直自分は「タバサちゃんってストーリー上いらなくない?」と思いました。目立った活躍は正直ほとんどなかったですし。
しかし成長=意志の継承者となることと考えれば、彼女の存在は女性にとって結婚がゴールにならないことの暗示、つまりは男女ともにいつまででも成長できることを表現してくれる存在と言えるでしょう。
物語ではマーサさんと出会う場面が終盤であったため、デボラさん→タバサちゃんの継承が行われるところまで描けなかったのだと自分は解釈しています。

 

タバサちゃんが素敵な大人の女性として花開く日、ぜひとも拝見したいものですね。

……デボラさんの娘ルートだと、結婚前のデボラさんに似たキッツい性格になっちゃったりして。それもそれで大変おいしい。

 

 

 

 

 

余談

実はデボラさんの一番好きなところは、実はスキャバトのカード絵で拝見した おおづちを担いでいらっしゃるデボラさんのカットがあまりに麗しすぎたところです。
こちらを冷たく見下ろしているのも最高だし、ゴツいデカい金槌もってらっしゃるのも最高。
デボラさんが立ってる部分の地面になってデボラさんがおおづちを振るう際の体重移動を直に感じたい。
どうにかして僕を、デボラさんが立っている部分の地面そのものにしていただけないでしょうかね……。もちろん下から衣服を覗くような野暮なマネはいたしませんから……。
敵対するモンスターになったら冷たい目で見下ろしてもらえるけど、地面なので認識すらされないんだ……。へへへ……ゾクゾクしちゃう……。

 

 

 

*ゲーム(スマホ版)の公式サイト→【ドラゴンクエストV for スマートフォン 公式プロモーションサイト | SQUARE ENIX

 

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