コボレ恥之介と 石の下でさざめく記事たち

元・マンガ家志望。小説・映画・漫画の感想や表現技法の勉強、自作品の批評など。僕がアウトプットするためのブログです。

読書感想文をビュッフェにて ~読了ツイートまとめ記事~

僕は、読んだ本は必ずツイッターで、感想を呟くようにしている。

 

 

 

何故か? それは後述の『読んだら忘れない読書術』なる本で、読んだ本の感想をSNSに落とすようにすると、読書の質が格段に上がると教わったからだ。集中力も上がり、内容もよく覚えられる。

 

そんな風にして作られたツイートをまとめてみようというのがこの記事である。さながらビュッフェのごとく、複数作品の美味しいところだけを食べ比べられる豪華記事!

 

……え? こんなん、ただツイッターから切り貼りするだけの手間のかからない記事じゃねーかって?
……ちょっとキミ、後で職員室に来なさい。
他のみんなは教室で記事の本編を読んでなさいね。


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【※ネタバレ注意※】

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短編集『合意情死(がふいしんぢゆう)』岩井志麻子さん、角川ホラー文庫)。
『巡行線路(みまはり)』の怪しい女が蠱惑的。
まず香りで惹きつける。顔を見る前に漂った『異国の香木めいた、怪しくも清楚な匂い』。声も『水飴を耳元に垂らされたように甘く粘る』とある。
いい女は五感を掴むのか。真似したい表現。ナルホド。

 

 

 

 

『豆の上で眠る』湊かなえさん、新潮文庫)。
子供が行方不明になった家に、新たにやってきた子猫。その猫の役割が……頭がいいというか、怖いというか。
子猫がやってきたときの主人公(行方不明になった子の妹)の「音を立てて、動くものがやってきた」というセリフは、温かみがあって素敵。

 

 

 

 

『読んだら忘れない読書術』(樺沢紫苑さん、サンマーク出版』。

さてこちらが冒頭で触れた、読んだ本はちょっとでもいいからすべて感想を書くといいと教えてくれた本。

行動を変えてくれる本は良書である

反対に、電車移動中「ここまで読もう」と目標を定める技は手を出さんぞと誓った。

僕はドアホだから「目的の駅で下車する」という当たり前のことを失念する危険がある。電車は図書室<乗り物。

 

 

 

 

『いい緊張は能力を2倍にする』(樺沢紫苑さん、文響社)。
『脳内物質が先で感情は後からついてくる』というのは重要な知識! 脳内物質のコントロール方法さえ知れば、どんな感情もコントロール可能ってことだ!

脳内物質調整方法が書かれたのがこの本というわけですが。深呼吸、笑顔、いい姿勢が、緊張緩和の3種の神器とのこと。
情報収集など事前準備も有効。

会話苦手マンとしては、「会話のネタ帳を作れ」というアドバイスがグサっときた。そういえば最近作っていなかったっけ……。そういうのは実際使わないでも、あると安心できるもんだわさ。


理性で欲望や感情を抑えようというアドバイスはよく聞くが、「理性とは何か」とまで言う記事や本は今まで見たことがなかったように思う。
この本では恐怖のコントロール方法として「知識をつけること」が紹介されていたが、「恐怖のコントロール方法」とは「理性」と似たカテゴリだと思う。
理性というのは気あいとやらで無理やり欲求を押さえつけろというものではなく、「何故それをしないべきなのか」……もっと言えば「じゃあ何をしたらいいか」を知り、実行することなのだなと思った。
知恵とはいいものだ。もちろん、上手く使えればの話だが。

 

 

 

 

『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』岩崎夏海さん、ダイヤモンド社)。
野球はてんで分からないが、引きこまれた。

試合のハラハラでなく練習のワクワクへフォーカスした話というのは堅実な面白さがある。僕はスポーツものに関心がないと思っていたが、練習方法や理知的な作戦という部分には興味をそそられるのかもしれないと思った。

 

『まちがいや失敗をしない者を信用してはならない。それは、見せかけか、無難なことにしか手をつけない者である。優れているほど多くの間違いをおかす。新しいことを試みる』
『マネジメント』のこの記述が好きだ。
そこから発生した「先にミスを重ねておく」という作戦は好き。
僕もたくさんのことに挑戦し、「まちがいや失敗をする者」になりたい。

大事なのは結果か過程かという疑念の答えは書で明言されていなかったが、どちらなのだろうなぁ。もっと深く考えたい。

 

 

 

 

◇短編集『短劇』坂木司さん、光文社文庫)。
作者の別作品『青空の卵』を見たときは穏やかで優しい作風の方だと思ったのに、『短劇』はブラックユーモア小説集でした。


『恐いのは』で眠る娘の首を締めようとした話が印象的。道具でなく手でやろうとしたのは、「実の娘に対する情けと思った」から。そのことを言い換えれば触れあい』と表現したのが、愛情と憤りがないまぜになった感情をよく現しておられた。
『最先端』『最後』のオチも衝撃的。『最先端』はおぞましく、『最後』はキャラクターを意地でも逃すまいという、作者さまの執着にも似た正義感に笑ってしまった。

 

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各作品の詳細情報へのリンク(出版社等の公式サイト)


*『合意情死』→【合意情死 がふいしんぢゆう 岩井 志麻子:文庫 | KADOKAWA

 

*『豆の上で眠る』→【湊かなえ 『豆の上で眠る』 | 新潮社

 

*『読んだら忘れない読書術』→【読んだら忘れない読書術 | サンマーク出版

 

*『いい緊張は能力を2倍にする』→【いい緊張は能力を2倍にする | 文響社 - Bunkyosha

 

*『もしも高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』→【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら | 書籍 | ダイヤモンド社
 *アニメ版『もしドラ』→【もしドラ | NHKアニメワールド

 

*『短劇』→【短劇 坂木司 | 光文社文庫 | 光文社

 *『青空の卵』(短劇の作者さまの、温まる作風の本)→【青空の卵 - 坂木司|東京創元社