コボレ恥之介と 石の下でさざめく記事たち

元・マンガ家志望。小説・映画・漫画の感想や表現技法の勉強、自作品の批評など。僕がアウトプットするためのブログです。

本当の自分はどこにいる?!ー『千と千尋の神隠し』

面白くない。
僕はそう思っていた。

 


千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督、スタジオジブリ
過去の僕はこの映画を見たとき、「何の話なだったんだ?」と思った。よく分からない、だから面白くないと。
改めて見て僕は、ハクの話だと思った。


千尋がハクの正体を見抜くための話なのだなと。

 

【※ネタバレ注意※】

 

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千尋には「正体を見抜く力」があるなとは思ってた。その力の最終目的を、僕は最初両親の正体を見抜くためだと思っていた。
しかし。彼女が神隠しにあったのは、どっちもハクが関わっているのだし。彼女の能力は、ハクの正体を見抜くために備えられたとも考えられる。


ストーリーの流れも昔はよくわかっていなかったが、「ハクを助ける」が主軸と考えたら納得した。正体を見抜く力を強化しながら、要所要所でハクに遭遇している。大事なシーンはみんなハクが関わっている。
だから一番の感動シーンが、ハクに彼の正体を教えるところなのだろう。


そしてこれは他の方の感想を拝見して得た気づきだが、「本当の名前」とは「本当の自分(アイデンティティ)」の暗喩なのだろう。たしかに千はストーリー上の重要キャラクター全ての本当の姿を見抜いている。

あと「顔」「声」も名前=自分のアイデンティティの言い換えだと判断できる。カオナシというキャラクターが他者を飲みこんで、他者の声で千の気を引こうとして苦しい目に遭ってるし。

 

つまるところ、「千尋」には他にない「人との繋がり」を大切にする能力があるのだろう。冒頭、転校で拗ねてたのもそういうわけだろうか。

 

 

 

はぁーーーー! なるほどー!!!

僕も自分のアイデンティティにはずっと悩んでいた! どんな自分であれば人から気に入られるか? そんなことばかり考え、カオナシのように苦しみあぐねていた。

だが僕は今、胸を張って言える。僕は……僕は……本当の僕は…………

新潟の地図に載っていない島に住む、8歳の天才女子だーー!!!!!!!

 

 

 

 

 

………………。

 

 

 

そんな愚物の叫びなんぞは放っておくとして、とにかくそういう自分自身の心と向き合う繊細で美しい話、大好きだ!

 


好きな映画! 面白い!

 

 

 

 

 

 

 


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