コボレ恥之介と 石の下でさざめく記事たち

元・マンガ家志望。小説・映画・漫画の感想や表現技法の勉強、自作品の批評など。僕がアウトプットするためのブログです。

人生を変えた涙の書!ー『嫌われる勇気』感想

 

その悩み、本当にあなたの問題か?

 

 

 

 


『嫌われる勇気』(著:岸見一郎さん・古賀史賀さん、ダイヤモンド社
僕を長年追い詰めた悩みの正体が的確に書いてあったので驚いた。読みながらずっと泣いていた

 

【※ネタバレ注意※】

 

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僕は近ごろずっと「普通」になりたいと思っていた。僕はアホのくせに屁理屈を並べて暗いことばかり語る、偉そうな奴である。そんな僕が僕は嫌いだった。僕は石の下でさざめく虫でなく、どこに出しても恥ずかしくない快活な人間になりたかったのだ。だが結局のところ、僕は僕としてしか生きられないと悟った。


でもきっとそれでいいのだ。石の下に虫がいることを、行き交う人が知らなくていいのだ。虫自身が自分がここにいると知っていれば十分なのだ。

 

 

そんな風にありのままの自分を受け止めるのには何が必要か?『嫌われる勇気』で取り上げられた「課題の分離」である。
他者の問題を私の問題として抱えるから我々は動きづらくなるのだ


僕の命は僕のものだ。僕の身体にのしかかる命はきっかり僕ひとり分。それ以上でも以下でもない。仮に僕が今この瞬間に死んだとして、一番困るのは他ならぬ僕自身なのだ。他の誰でもないのだ。これを忘れてはならない。そしてその僕の死をどう感じるかは他者の課題だ。

 

 

 

 

 

 

 

さて。

 

この本は大きく3つのパートに分かれていると僕は思っている。
最初に「現代人の抱える問題」を提示し、次にその「解決策」、最後に「それにより得られる効果」となっている。この書が最も言いたいことは「解決策」の部分にあるだろう。

実際、読者の気持ちの代弁者たる主人公は、何度も「解決策を教えろ」と言っているし。


タイトルから見ても、書のテーマは想像できる。「嫌われる勇気」とは「課題の分離をする勇気」とみてよいだろう。「嫌われる」という単語が出たパートで頻発した言葉が「課題の分離」であったから。現代人の抱えるさまざまな問題を解決に導くすべは、「課題の分離」であると書は言っている。


きっとこの「課題の分離」ができない問題は、僕だけでなく多くの人の悩みの種だったのだろう。それゆえに多くの人の「良書」となり、ベストセラーとなった。ベストセラーだから面白いのでなく、面白いからベストセラーなのだ。

 

 

「これは誰の課題か?」

困難にぶち当たったとき、我々は常に自己にそう問いかけねばならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……などと話がまとまったにも関わらず、僕は余計な話を盛りこみます。イラッとしたらそれは本当に申しわけないが、僕が言いたいので言います。
『嫌われる勇気』は単純に文章が上手い。大事なところは大事だと分かりやすく登場人物に復唱させたりするけれど、それがわざとらしくない情報の重要度が明確

僕だったらもっと分かりづらくあやふやに書ける自信があるぞ!(笑)

 

 


*本の詳細情報(出版社のHP):【嫌われる勇気 | 書籍 | ダイヤモンド社