コボレ恥之介と 石の下でさざめく記事たち

元・マンガ家志望。小説・映画・漫画の感想や表現技法の勉強、自作品の批評など。僕がアウトプットするためのブログです。

卒業コンビニ 〜大好きな職場を辞めるとき〜

アルバイトを辞めます。
それは、就職活動が終わったからです。
やったー!

 

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僕はマンガ家を目指して出版社に企画を持ちこむ活動をしながら、某コンビニの店舗にてアルバイト勤務をしておりました。
どの系列のコンビニなのかは秘密です。が、僕の近くにはロー……なんとか……ソン……みたいな名前のコンビニがあったなぁ。まあ、関係ないけどね?


プロマンガ家は僕が本当になりたいものではないと知り、その活動を辞めてこのごろは就活をしてました。そしてそれが無事終わり、それに伴ってコンビニも辞めることになった次第でございます。

 

コンビニのアルバイトは僕にとって、本当に本当によく成長させてくれる仕事でした。
かつての僕は人と関わることがとにかく苦手で、喋る能力も一切なくて、自分勝手で、すぐテンパってしまって、根性なしで、だからこそ自分に自信がありませんでした。

……いやぁ本当、僕は店に迷惑をかけっぱなしでしたね……。
1000円単位の両替ミスを連日出すわ、お客さまに怒られて仕事中に30分も泣きながら事務所に立て籠もるわ、ワインは割るわ、ゴミは散らかすわ、遅刻はするわ……。

けれど、超超超超超絶苦手なお客さんが来たときに、すぐフォローできるようにとオーナーが僕のレジのそばで品出しすることを心がけてくれたことは本当にありがたかったし。
店長は明るく朗らかで、僕の目標になってくれた。僕の細かいことにも気づいて褒めてくれたし、追いつかない仕事をフォローしてくれたし。
僕が馬鹿なミスをするたびにお二方とも優しく「大丈夫だよ」と言ってくれたし。
他の従業員さん方も、分からないことをシフトの時間外に聞いても丁寧に教えてくれた。僕にたくさん話しかけてくれたし。

皆さんが馬鹿でグズな僕に優しく接してくださったお陰で、僕は今までやってこれました

 

 


でもね。こんな大馬鹿野郎でも、むしろ大馬鹿野郎だからこそ役に立てることもあったんですよ。
それは新人教育です。
先輩は少しぐらい馬鹿なほうが後輩はよく育つみたいなことをよく言いますが、僕はその典型でしたね。
後輩がミスするじゃないですか、後輩は真面目だから慌てちゃうんですけれど、「僕も通った道だから大丈夫だぜ!」って言ってあげられるんですよ。
人のミスってだいたいパターン化されてるんですね。「それ僕もやったやつだ!」って感じで、進研ゼミの宣伝マンガみたいなテンションになることが多かったね。僕の想像もつかないようなアグレッシブなミスをしてくれてもよかったんだぜ。

しかし後輩ね〜。僕より年齢が下の後輩もいるんですけどね〜、皆ね〜、よく気がつくんですよ〜。そしてちゃんと行動に移すんですよ〜。

 

僕がレジをしてるとき、後輩がタバコの棚の目の前にいたら、タバコを取って僕に渡してくれるんですよ。
レジカゴもカウンター内に溜まったら気づいて持って行ってくれるんですよ。
僕がコーヒーの容器の補充をしていたら、「手伝えることありますか?」って聞いてくれるんですよ。
個展を開いてもいいくらいに美しいPOPをいくつも描いてくれるんですよ。
「自分も電話の取り方を覚えたほうがいいと思うので教えてください」って自分から提案してくれたんですよ。
好きなゲームの話をしてくれるんですよ。
HTMLが何か教えてくれたんですよ。
ファッションの拘りを教えてくれたんですよ。
美味しい料理を教えてくれたんですよ。
嫌いな食べ物のことを教えてくれたんですよ。
入って間もない子が常連さんのタバコの番号を覚えて、常連さんがレジに来る前に準備してカウンターに置いといてるんですよ。
「今こういうミスをしてしまったのですが、どうすればいいですか」って隠さないで聞いてくれるんですよ。
「おでんは溢れやすいので気をつけてお持ちください」って声のかけ方を、直接指導はしなかったのに、僕が言ってるのを見て自分でも言ってみてるんですよ。
尊敬語謙譲語がしっかり使い分けられているんですよ。
頭の下げ方が綺麗なんですよ。
バックルームのどこにあるか分からない商品を早急に用意しなければならなかったとき、テンパる僕に「自分がオーナーに電話しますよ!」って代わりに電話してくれたんですよ。
働くとは何か、行動で示してくれたんですよ。

 

 

 

いやもうこんなすごい子たちのバッジには、スーパーで売っている野菜みたいに、「私が育てました!」っていう僕の顔写真つきのシールを貼るべきですね!
……なんてね。冗談です。
彼らを成長させたのは、他でもない、彼ら自身の努力です。「私が育てました」シールをバッジに貼るとしたら、顔写真は彼ら自身の写真を貼るべきです。僕はしょせん努力のできる環境を用意することしかしていません。

彼らからは学ぶことが多かったから、もはや彼らのほうが先輩と言っても過言ではないのかもしれない。どうも、僕は一番のペーペーです。

 

とまあ僕はドアホだということを端々で述べましたが、僕なりに成長したんですよ。
どんなに小さなことでもメモとして書き起こすことでテンパらなくなったし、明るく大きな声で丁寧に喋ることで人が怖くなくなったし。
ビビリ陰キャ野郎の僕が、お客さまから「溢さんは明るく元気な店員さんですね」と何度もお褒めいただけたんですよ。
なりたい自分に近づけた

 

いやなことももちろん、たくさんたくさんあって。途中、辞めようと思ったこともありましたが。それでも皆さまの支えをいただけたからこそ、僕はここまで来れました

本当に本当に、本当に本当に本当に、ありがとうございました。

まあ嫌いな人とかもいたけど……お客さまとか、……とか……

 

こんなふうに明るい去り方なら「辞める」なんて言葉はあわないですね。


「卒業」

この言葉が僕にはあっているでしょう。


ありがとう。さようなら。また会いましょう。


……………………。

 

 

 

…………いやブログに書かんで直接言えや!

 

 

はい。絶対そう思っていますよね。
すみません。おっしゃる通りです。
あのですね、冒頭でも述べた通り僕は喋るの苦手なんですよ……。だいぶ改善はされましたけどね。長文はまだ無理なんですよ。
だからこのブログは「下書き状態」なんだと思ってもらっていいでしょうかね。本人たちに伝える前の予行練習みたいな。ね。

 

 

 


溢恥之介、まだまだまだまだ若輩者です……。

 

 

 

 

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