コボレ恥之介と 石の下でさざめく記事たち

元・マンガ家志望。小説・映画・漫画の感想や表現技法の勉強、自作品の批評など。僕がアウトプットするためのブログです。

【鬼滅21・22巻のネタバレ??】珠世様美しいかっこいい偉大愛してる

21巻&22巻読みました💜💜💜💜💜💜 珠世様かっこいい大好き美しい偉大💜💜💜💜💜💜💜 兪史郎くんもかっこいいぞ🧡🧡🧡🧡🧡🧡
珠世様のお名前をいっぱい見れて幸福❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️ やっぱり珠世様は素晴らしい💖💖💖💖💖💖💖💖💖

 

 

22巻の最後💜 珠世様のセリフで終わってた💜💜💜💜💜 早く次巻発売されないかなぁ💜💜💜💜💜💜💜

 

 

珠世様はもうちょい前の巻のがいっぱい出そうね! 次は17・18・19巻あたりを買うかなぁ(順番通りに買わないにもほどがある)

 

 

珠世顔の煽り顔💜💜💜💜💜💜💜💜💜💙💙💙💙💙💙💙💙💙💙

 

 

この状況でも冷静にやるべきことをやる兪史郎くんもかっこいい〜!!!!!💙💙💙💙💙

 

 

みんな珠世様のご尊顔を拝しながら23巻発売を待ってるんだね❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️❤️ 23巻恋しさに、何度も何度も22巻を読み返して。そのたびに最終ページの珠世様の、凛々しく美しいお顔を深い印象として脳裏に刻まれながら指を咥えて最新刊を待つアーーーーー!!!!!!!!!!!❤️❤️❤️

 

 

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【鬼滅21巻カバー裏ネタバレ】珠世様に関する妄想とときめきが止まらない

【※ネタバレ注意※】【※ネタバレ注意※】【※ネタバレ注意※】【※ネタバレ注意※】【※ネタバレ注意※】

 

髪にキスをさせてくださるんですか????!!!!??????????

 

えええ、珠世様、髪にキスさせてくださるんですか??!!???(大事なことなので2回言いました)

 

【※この記事は、ほぼ3巻までしか知らないだけの人間が、ときめきに苛まれて衝動的に書いたものです。本編と大きな矛盾があったら本当にすみません※】

 

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兪史郎くん、何で珠世様の髪にキスしてるの?!?

あれは角度的にキスしてるように見えるだけで実際はキスしてないの!?!?
それともキスしているけれど珠世様は気づいてないの??!???
珠世様が髪に接吻していいと言ったからキスしてんの???!!!??????
それともあれは兪史郎くんの夢??!???!!???

どれーーーー???!??????

 

 

仮に実際にキスしてるけど珠世様は気づいてない、というパターンだとして。
でも髪に何らかが触れていることって、珠世様もお気づきになられると思うんですよ。

そこをどう兪史郎くんは折りあいつけてんの!!?!??

「珠世様、髪に糸くずがついていますよ」
とか言って取ってあげるフリをしてキスしたとかですかね??!??????

 

 

 

ああーーーーーー、糸くずになって珠世様の髪や服の上につきたーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 


とりあえずこの21巻カバー裏の前日譚を捏造していいですか?!? 駄目ですか?!? でも言いますね!!!!!!

 

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3日前。兪史郎くんは珠世様の髪についた糸くずを見つける。そして髪から取り除いてあげる。珠世様はほっとしたような表情でお礼を言う。この上なく嬉しい兪史郎くん。
それからしばらくは、珠世様からお礼を言われたことの喜びに浸っている。
だがその後、珠世様の髪にずっとくっついていた糸くずを憎く感じ始める。
魅力的な匂いのする豊かな髪に、身をたたえるとは、何と贅沢なことをしているのだろう! あの美しい御髪をまるで布団がわりにするなんて。糸くず風情がおこがましい。しかし、正直、羨ましい!
珠世様はすっかり糸くずのことなど忘れてしまっている。だが兪史郎くんは糸くずに対する憎しみと羨望を忘れられない。
自分も珠世様の髪に触れたい。できれば口づけをしたい……。
それから数日後。椅子に座る珠世様と、そのそばに立つ兪史郎くん。彼女の頭を眺めている内、兪史郎くんの中にある思いつきが発生した。
「珠世様、髪にまた糸がついています」
そう言って、糸くずを取るフリをして、髪にそっと、一瞬だけ、唇を触れさせる。

瞬きほどのわずかな時間。だがそれは、永遠と引き換えにしてでも構わないほどの甘い、甘い、魅惑的な瞬間だった……。

 

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……というのが私の勝手な妄想なんですが……。

未読の部分にこのカバー裏シーンの真相があったら怖いですね!!!!! たぶんこの記事をお読みくださっている方は知っているんだと思うんですけど!!!!

 

まあ何が言いたかっていうと!

 

私は糸くずになって珠世様の御髪に触れたいです!!!!!!!!

あと兪史郎くんに恨まれたいです!!!!!

それだけです!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

あああーーーッ!!!!!!

珠世様大好き美しい愛してるよおおおおーーーーー!!!!!!!!!

 

一気読みすると本気で私の心臓も脳みそも破裂してしまうと思うので、ちょっとずつしか読めてなくて本当申し訳ないんですけれど!!!!!!
絶ッッッ対に全巻読みまーーーーす!!!!!!!!

 

にわかのくせにめちゃくちゃ妄言吐いてすみませんでしたーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

【鬼滅映画ネタバレ?】珠世様が映画に出ると聞いて行きましたが……

珠世様が映画に出ると聞いて映画館に行ったのに、出ないんですか!!?!????

 

 

 

私は貴女のお姿を観に走ったのに……。前々日からたくさんドキドキして……不安になって……期待をして……。
これだけ労力と精神力を使ったのに1秒も姿を見せてくださらないんですか……?

そんなの……

 

好きすぎるううううううううああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

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私、映画観るのちょっとだけ苦手なんですよ。すぐ頭痛くなっちゃうし。トイレ近いし。大きい音とか苦手だし。
それなのに珠世様のご勇姿を拝めるならと行ったのに! 姿を! 見せて! くれない!!!

 

ああ!!!!!!!
好きです!!!!!!!!!!

 

私は一種の被虐的願望があるというか、美女に惑わされたい、振り回されたいとよく願っているタイプの人間なんですよ。
それがね。今回ね。私の勘違いといえね。振り回されちゃったわけですよね。珠世様にね。

これにときめかなくて、いつ、ときめくのですかねぇ!!??????

 

 

そうなんですよ勘違いなんですよ。

でもこうやって、行動力のない人間を勘違いで走らせてしまう魔力! 美の魔力! なんと尊いことか!!!!!!!!!!!

貴女の美しさに動転してチケットを買う日づけを間違えて。家を出る時間を間違えてドタバタして。本当、何回も言うように私の勘違いなんですけど、これだけ……これだけ私の心を乱しておいて、笑顔のひとつも見せてくれないんです?!? ため息のひとつも聞かせてくれないんですね??!???

 

はあああ〜〜〜〜、好きです!!!!!!!!!!

 

珠世様は悪くない! 悪いのは私! いや、珠世様の美しさが悪いのか、美しさが罪なのか。違う、美は悪ではない。悪いのは美を悪と捉えてしまう、人間の愚かさなのだよ!!!!!!!!!!!!!

 

ああ〜美人!!!!!!!!!!!!!

 

まさに貴女はファム・ファタール(※甚だしい魅力で人を惑わす女のこと)だ!!!!!!
すみませんねまるで貴女さまを悪女であるかのように申し上げて!!! 違うんです、貴女は運命からの尊い贈り物!!!!!!!! 悪いのは運命!!!!!

 

ああああ珠世様、貴女は今日も明日も美しい……。ただ美としてそこに存在している……。貴女は概念……。美という概念……。

はーーーーーーーーー

 

好き!!!!!!!!!!!!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

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『恋愛嫌い』(平安寿子さん、集英社文庫)感想

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何と言ったらいいか分からない一冊。


ただこの感想、「悪かった」と言っているわけではない。むしろ良作だったがゆえに感想がわからないのだと思う。あまりに考えることが多すぎて、思考が渋滞を起こしている。
私はこの本の感想を、何度も書いて、何度もボツにしている。私は書くことすべてが嘘に見える。その瞬間は真実であると思って書いているが、次の瞬間には真っ赤な嘘になってしまう。
「恋愛嫌い」。それは本当に最低な状態なのである。「恋愛に興味のない人」にはなれない。「恋愛を心から楽しめる人」でもない。曖昧で窮屈な状態。この苦しみから脱することは必須である。
たぶんこうやってウダウダと悩んでいることが悪いのだろう。行動をしなければならないのだ。
そう。私にとってもはや恋愛活動は、したいしたくないではないのだ。義務、責務、必須業務。しなければならないことを、するか怠るか。私に突きつけられたのはその二択だ。
ああ、嫌だ。

 


……死の恐怖。私はとても低劣で矮小な人非人だから、自分が恋愛するということを、そのような馬鹿馬鹿しいものと結びつけてしまうのだ。だが人間、生きる上で死地に赴くことを拒むことはできないのだ。シぬことを受け入れないと、生きることはできないのだ。名誉という観点で考えるのなら、みっともなく長生きするよりも、挑戦してシぬほうが正しいのだ。

ああ、やばい。私は今スマホを叩く指が震えている。寒いわけではない。むしろ身体は火照っているくらいだ。だが親指が確実にぶるぶると揺れている。目に見えて震えている。
この文章は、遺書なのではあるまいか?
戦地に赴く者は、いつシんでもいいように、先に遺書を書くことがあるという。死の世界に足を踏み入れる決意のために書いているこれは、遺書なのではなかろうか?……。


そうまでして恋愛はしなければならないものなのだろうか。
違うのではなかろうか。

「ねばならない」思考は、はっきり言って、健康的ではない。推奨できることではない。

いや、何にせよ、この曖昧な状態は悪である。解消せねばなるまい。どうやって?
………………どうやって?

その答えを求めて私はこの本を買った。だが結局、見つからなかった。
私の平穏はどこにあるのだ? 人生に平穏などありえないのか?

 


いや、違う、違うんだ。
この本は、このような考えを起こさせるために書かれたものではない。
恋愛をしなくても幸せになれる。
そう言っていなかったか?

恋愛は嫌いじゃない。主体者が私でなければ、だが。街中でカップルを見るのが大好きだ。ペアルックをしたり手を繋いだりハグしたりしている人を見ると妙にウキウキする。何度も思い出して何度でもハッピーな気分になる。
ブコメディも大好きだ。でも不倫ものや恋愛で破滅する話も好物である。
作品を見ているときに、気になるキャラがいるとすぐ脳内でカップリングを組んでしまう。男女でも男男でも女女でも、年齢差も身分差も、作品内での関係性も関係なく、節操なしに脳内カップルにしてしまう。最近は二次創作でそのような絵をTwitterにあげることも覚えた。
ホットペッパーは恋愛脳科学コーナーが一番楽しみだ。

このままではいけないのだろうか?

 


何だろう、この感想も違う気がする。
まるで「どうしても恋愛したくない人」のようである。そんなふうに純然たる思いを胸に生きる人間だったのか? 違う。もっと私は曖昧で情けない人間だ。恋愛がしたくないというのも嘘。恋愛がしたいというのも嘘。嘘、嘘、嘘。ああ、腹が立つ。はっきりしないことはイライラする。お前は一体何なのだ。命をかけて証明しろ。違う、命は無駄にしてはならない。

畜生! どうすればいいのだ。
ああ、私はなんと醜いのだ。

 

 


この曖昧で定まらない状態も私だ、ということなのだろうか。私はこのままでいいのだろうか。
恋愛嫌いは、恋愛嫌いのままでいる権利があるのだろうか?


私は虫が嫌いだ。高所も嫌いだ。オカルトホラー映像も嫌いだ。でもそれらを即座に解消しなければならないとは思わない。だが恋愛嫌いは1秒でも早く取り除かねばならない気がする。何故だろうか。
誰がそんなことを言ったのだろうか。親だろうか。友人だろうか。新聞だろうか。テレビだろうか。


恋愛嫌いがアイデンティティーでも、いいのだろうか。
恋愛嫌いな私でも、いいのだろうか。

 

 


さて。自分の話ばかりしてしまった。いい加減に本自体の感想を言うとしよう。疲れたので箇条書き。

 

・『恋が苦手で……』、恋愛が得意な人はいない、だから恋愛運占いやモテメイク特集が流行るとの見解。みんな恋愛が得意なんだと思ってた。目から鱗
・『相利共生、希望します』、美人にアプローチするのはよほどの自信家、と述べる箇所が印象的。何故なら私は美人という概念が好きだからです。
・アルコールに弱いのに、推しお姉さんについていく内藤くん可愛いなぁ~。個人的には鈴枝さんと内藤くんがくっついたらいいなぁとこっそり思いました(カップリング厨)。
・解説。メインキャラクターの3人は『無理せず気楽に生きている』らしい。話の全体を読んだ印象は、私は彼女たちが「ものすごく無理をして人間のフリをしている」ように見えてしまった。本当はどっちなのだろう。この話は「気楽に生きている瞬間」を描いているのか、「気楽な瞬間と気楽な瞬間の間に存在する、ものすごく無理をする一瞬」を描いているのか……?
・解説。その先を読むと『独身生活を謳歌する彼女たちは/何の屈託も焦りもない』とある。屈託や焦りで恋愛行動をしているのかと思って読んでしまっていたが……。私の認識が歪んでいるのだろうか?
・要するに「私の話」ではなかったのだ。というか、私はこの話に出てくる例に当てはまる人間でなかった。少なくともこれが分かった。とても大きな収穫である。

 

 


そもそも。本に答えが書いてあると思うことは間違いだ。本はあくまで考えるきっかけだ。本の内容を受け、自分の頭であれこれ考えることが重要なのだ。
つまりこの本は、とても素晴らしい読書体験をもたらしてくれたのだ。良書であった。
数年後にまた読み返したい。そうしたら、また違う感想を抱きそうだ。

 


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◆『恋愛嫌い』詳細情報(公式サイト)→【https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-746751-2

 

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 【読書感想文集】シェイクスピアおすすめ作品、勝手に5選!【ただの僕のお気に入り】

シェイクスピアの代表作を2つ挙げてください。

 

もしそう問われたら、多くの人はまずハムレットと答えるだろう。
では2作目は? と問われると。

面白いことに、人によって意見が分かれるのだ。


そんなわけで。オモシロ作品目白押しのシェイクスピアの中で、僕が最も気に入っている5つの作品を挙げてみようと思う。


あらすじ&好きなところの解説つきです。

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 ■ マクベス ■

 

 ◆あらすじ◆

スコットランドの武将マクベスは、妻であるマクベス夫人に唆されて王を殺害し、王位を奪う。だがその殺人がバレることを恐れるあまり、次々と殺人を重ねていく……。

 

 

 ◆好きなところ◆

勇敢だと思われたマクベスが、ブルブル怯える姿が楽しい。

僕はマクベスのみ、実際に舞台で見たことがあります。そのときは、マクベスが宴の席で亡霊に怯えて椅子から転げ落ちるシーンに爆笑しました。


甘美な共犯関係で結ばれたマクベス夫婦が、屈折した愛を交わすさまも見もの。

去った夫人を想って嘆く、マクベスの長ゼリフは悲しい。

夫婦愛についてはぜひ、ちくま文庫版の訳者あとがきを見てほしい。

筑摩書房 シェイクスピア全集 3 マクベス / シェイクスピア 著, 松岡 和子 著


残忍な内容にも関わらず、最後は明るく爽やかな気分になる不思議な劇。



 

 


 ■ オセロー ■

 

 ◆あらすじ◆

美しい新妻を愛する将軍オセロー。順風満帆かと思われた彼の人生は、副官に任命されなかったことを不満に思う部下・イアーゴーに恨まれていた。イアーゴーは彼の妻が不倫をしていると言葉巧みに信じこませ、オセローを破滅に追いこんでゆく……。

 

 

 ◆好きなところ◆

歪んだ愛の物語、だーいすき☆

 

イアーゴーとその妻・エミリアさんの仲にそそられます。

 

イアーゴーはオセローを破滅に追いこむために、「お前さんの妻、不倫しとるで!」と吹きこんでいくわけだが。むしろそれだけで攻めていくわけだが。
そのイアーゴーに妻がいるって、すごい気にならない?

 

ところで。

あらすじでにて僕は、「副官に選ばれなかったことを不満に思うイアーゴー」と表現した。だがイアーゴーがオセローに不満を持った理由は、出世以外にももうひとつあって。

それはオセローとエミリアさんがムフフな仲を築いたんじゃないか、という疑いがあったことなんですよ。

 

イアーゴーの、妻への粘着質な愛を感じました。






 ■ じゃじゃ馬ならし


 ◆あらすじ◆

口の悪い暴れん坊のじゃじゃ馬・カタリーナ。だが彼女の上をいくふんぞり返った男・ペトルーキオーが現れ、結婚することになってしまった! 結婚後、ペトルーキオーがカタリーナに施した強引な「調教」により、彼女はついに従順になってしまう――?

 


 ◆好きなところ◆

カタリーナちゅわん! 可愛くて気高い、我が麗しのカタリーナちゃん!

 

彼女が従順になったか否かの妄察で、120カ月は暇を潰せる作品。

 

個人的にはカタリーナちゃんは従順な敗北者にはなどなっていない、と思っている。
その根拠をTwitterで語ったところ、簡単に2万文字を超えしまったので、別のところで語ります。

 

人の頭をバイオリン(みたいなやつ)でぶん殴るくらい凶暴なのに、結婚式で旦那が来なくて泣いちゃうところが本ッッッッ気で可愛い

 

まさかシェイクスピアの作品で、こんなにキャラを推すとは思いませんでした。本当マジで好きですカタリーナちゃん。


おお、カタリーナちゃん。

あなたは強くて賢くて気高くて、使命感が強いヒーローだ。それでいて誰より優しくてか弱くて、夢見る乙女なヒロインだ。

ああ、僕の愛しい薔薇! 愛してるぞー!!!

 

 

 

 

 

 

 ■ 夏の夜の夢 ■

 

 ◆あらすじ◆
妖精たちの喧嘩に巻きこまれた恋人たちは、惚れ薬のせいで仲がぐちゃぐちゃに! 恋人に永遠を誓ったその口で、別の女に真実の愛を告げる始末。さらには妖精界の王妃も、惚れ薬のせいでロバ頭の男とイチャイチャしだして?!

 


 ◆好きなところ◆

惚れ薬のせいで生まれただけの、明らかに嘘な愛を、めちゃくちゃ真剣に語るところ。

 

現代のお笑いコンビで言えば、この話はアンジャッシュ的な勘違い系コントである。

 

『その目を何にたとえよう? 水晶もまだ濁っている、おお、その唇、熟れ切って、お互いに肌を触れあう二粒のさくらんぼう、いかにも人の心を誘うような!』――これも嘘から出た嘘、『あの空に輝く星、光の目、それにも増して美しく夜を照らし飾るこの女人』

――これも偽りの愛の調べ。

 

『僕が君を愛していないなどと言うやつは、きっと目にものを見せてくれる』

――大変だ、それは後で、自分で自分を傷つけなければいけなくなる言葉だ!


数多の言葉を自由自在に操るシェイクスピアだからこそ、この話は面白い。

 

 

 

 

 


 ■ アテネのタイモン ■

 

 ◆あらすじ◆

財産を気前よく友人に分け与えることで有名なタイモンは、そのせいで借金まみれになってしまう。すると友人らは途端に彼を冷たくあしらう。失望したタイモンは森に逃げて引きこもる。だが、それで幸福になれるはずはなく――?

 


 ◆好きなところ◆

僕も人にいい顔ばかりしようとする人間だ。だからタイモン卿は僕の反面教師なのである。愛すべき師匠なのである。


純粋で、お馬鹿で、人が好き。

要するに彼は、愛くるしい弱さを持った主人公なのだ。

どこまでも彼に従おうとした執事・フレイヴィアスや、彼と対等に話そうとした皮肉屋アペマンタスなど、タイマン卿の周りには、実は優しい人もちゃんといる。
選択肢を間違えなければ、彼は穏やかに暮らせたに違いない。

そしてまたこの話、恋愛的な要素がまったく出ないという特徴がある。

それゆえの、からっとした爽快感も心地よい。

 

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シェイクスピアの代表作、ハムレットともうひとつは何なのだ、問題。

ファン同士で意見が割れるだけならまだ分かるが、例えば世界史の教科書やシェイクスピア作品の解説本など、出版社から公的に出ている書物においてもバラバラだ。
ヴェニスの商人』であったり、『夏の夜の夢』であったり。

マクベス』が挙げられていたときはびっくりした。マクベスはたしか、どこかで「四大悲劇の中で最もマイナーな作品」と称されていたような……?

 

 

要するに。

面白い作品がいっぱいあるぞ、ということかな。

 

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■ 作品の詳細情報(リンク先は出版社公式サイト) ■

 

シェイクスピア全集 3 マクベス(訳:松岡和子さん、ちくま文庫)→【筑摩書房 シェイクスピア全集 3 マクベス / シェイクスピア 著, 松岡 和子 著

 

『新訳 オセロー』(訳河合祥一郎さん、角川文庫)→【新訳 オセロー シェイクスピア:文庫 | KADOKAWA

 

シェイクスピア全集20 じゃじゃ馬馴らし』(訳:松岡和子さん、ちくま文庫)→【筑摩書房 シェイクスピア全集20 じゃじゃ馬馴らし / シェイクスピア 著, 松岡 和子 著

 

『夏の夜の夢・あらし』(訳福田恆存さん、新潮文庫)→【ウィリアム・シェイクスピア、福田恆存/訳 『夏の夜の夢・あらし』 | 新潮社

 

シェイクスピア全集29 アテネのタイモン』(訳:松岡和子さん、ちくま文庫)→【筑摩書房 シェイクスピア全集29 アテネのタイモン / シェイクスピア 著, 松岡 和子 著

 

 

 

 

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つまらない本たち ~諦めた本は、挫折した理由について考えよう!~

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読み始めた本は、最後まで読まなければならない。
僕はそう思いこんでいる。
だがどうしても自分の肌にあわない本というものもある。そういった本を捨てる勇気も必要だ。
僕はもったいない症候群に囚われた人間なので、ただ捨てるということがどうしてもできない。
なのでつまらないと思った本は、「どのような点がつまらなかったのか」を分析してから捨てようと考えた。
以下はその記録である。
なお、これは僕個人の勝手な意見であるため、作品名は一切出さず「挫折本A」「挫折本B」などと曖昧な表記をさせていただくことにする。

読みづらさが生じてしまうが、ご承知いただければ幸いです。



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■挫折本A■

 

ワイルドな男性のエッセイ本。
性に関して倫理観のない描写があり、気持ち悪いなぁと思って読むのを止めてしまった。
あとそもそもエッセイ本というものにあまり関心がない。人間が好きではないからだろうか。ワイルドな男も苦手である。
苦手×苦手×苦手=挫折。

 

☆好きだったところ・よかったところ☆

・苦手な人間も、生きて、呼吸をして、物を食べて、どうでもいいことに想いを馳せている。どんな人も、生身の人間なのだなと思った。当たり前なのだが。

 

 


■挫折本B■

サスペンスホラーっぽいあらすじとタイトルだな、と思った。だからけっこう期待して読んだ。でも全然刺さらなくて途中で投げてしまった。
僕は心理描写というものが大好きなんだ。恋愛のような瑞々しい感情を明瞭な言葉に置き換えた描写も好きだし、犯罪心理のようなゾクリとするものにも心が躍ってしまう質だ。あらすじを読んだところ、恋愛描写も犯罪心理描写もどちらもおいしくいただけそうでワクワクしたものだった。
しかし、この作家は物事を淡々と描く作風だった。キャラクターの家族が亡くなるシーンもあったが、「家族の死に驚いた。そして引っ越すことになった」というふうに、ものすごくあっさりしていた。主人公らが窃盗を犯すシーンもあった。窃盗におけるこだわりは描かれていた。だがその盗みを犯すときに、どんな気分になっていたのかは描かれていなかった。

喜びながら盗んだのか。申しわけないと思ったのか。いっそ何も思わなかったのか。僕はそこが知りたかったのだ。


もちろん、感情を省いた描写を悪文としてこき下ろすつもりなど、僕には一切ない。そういった描写があう内容も当然ある。ただ「僕がこの作品に求めているものではなかった」というだけだ。
感情という目に見えないものを、目に見える言葉に置き換えて描写する。僕は創作物にそういった部分を求めているのだ。

そう気がついた。

…………。
……いや、違うな。
感情が描かれていなかった、というのはこの作品の評価にはふさわしくない。キャラクターたちは怒って物を投げたり、誰かに見惚れたり、人に気に入られるために犯罪を犯したりしていた。「喜んだ」「悲しんだ」という内面の気分に関する描写は少なかったかもしれない。でもこのように、複雑な感情は行動するという形でしっかりと描かれていた。
それなのに何故、僕はそこを読み取れなかったのか。
たぶん、文章があわなかったんだと思う。

今さらながら言ってしまうと、この小説は海外の作品である。つまり僕が読んだのは翻訳本なのである。その翻訳が、僕にあわなかったのだ。
この翻訳の文章は、僕の知らない単語が多かった。そしてまた、失礼を承知で言えば、回りくどい文章だった。そのため何度も同じ一文を読み直す必要があった。僕のような短気の人間には、これはけっこう難儀な作業であった。

Twitterで作品名&翻訳家名をキーワード検索してみたことがある。この翻訳家の文章は絶賛されていた。「こんなにも美しい文章は、この作品にぴったりだ」「同じ小説を他の方が訳したものも読んだことがあるが、○○さん(僕が拝読した方)の訳が一番よかった」などという意見をいくつも見かけた。大切なことなのでもう一度言おう。翻訳が「僕にあわなかった」のである。

そしてまた、このような「回りくどい文章」でも、好きになれたものもある。僕の大好きな作品にも、うんざりするほど回りくどい文章で作られたものがあった。でもその作品からは、主人公の偏った感情がありありと伝わってきた。だから好きになった。やっぱり相性なのかもしれないな。

……あとついでに言うと、この作品は「最後の50ページが特に面白いよ!」みたいなことを言われていた。でも僕ね、さっきも言ったけどね、ド短気なんですよ……。そこまで気力がもたなかったんですよ……。

いくつかの原因が重なった結果、本を投げる。そういう場合もあるのだ。

 


☆好きだったところ・よかったところ☆

・主人公の男の子が、学校に行けなくなった理由が興味深かった。その人のせいなんかい。子どもってたまに残酷な遊び方をするものだよね。でもまだ好きなんだ?

 

 


■挫折本C■

2作の中編を1冊にまとめていた本。表題作をC-1同時収録作をC-2と呼ぼう。

ちなみに、C-1とC-2は作品の雰囲気がそっくりなのだそう。
C-1は読了したが、C-2は途中で挫折。C-1で「僕の心には響かなかったなぁ」と思ったので、C-2はほとんど読まずに止めてしまったのだ。

C-1は「日記か?」と思ってしまった。淡々とできごとを並べる作風。
そういえばこの作者の別作品を読んだことがある。仮にC’としておこう。その作品はとても面白かった。
C’は、主人公の「誰もが持ちうる、わずかな悪さ」が生々しく滲み出ていて好きだったんだよなぁ。
C-1はそういう作品ではなかった。作品に求めていたものが違った、そのせいで挫折した。そういうことだろう。
そういえばC-1のあらすじに「美女が出る」とって、それも僕を惹きつけた要因のひとつだった。でも美女はちらっと出てさらっといなくなってしまった。別の美女も出てきたけれど、そっちの人もすっといなくなってしまった。
ファム・ファタール(※男を破滅させる美女という意味)が大好きな僕としては、さらっと流すC-1の男性主人公に感情移入ができなかったのかもしれない。
C-1の主人公は物語を通して何かに執着するようなキャラクターではなかった。(もしかしたら僕の読解力不足のせいかもしれないが……)
C’は主人公が己の立場を守ることに執着している印象があって、そこが好きだったんだっけ。

やっぱり「期待している話と違った」ってことなんだろう。覚えておきたいキーワードだ。


☆好きだったところ・よかったところ☆

・ラストの、物悲しいような開放的なような奇妙な雰囲気は印象的だった。映像で見たいなと思った。

 


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「好みじゃない本を捨てる」という技は、読書において最も重要な能力と言えるのではなかろうか。
「文字を多く読める」「好みにあう本を選ぶ」それらの能力も読書にとっては大事だろう。しかし長い話を読めないのであればショートショートを多く読めばいい話である。好みの本というのは、何冊か読んでいる内にだんだん分かってくるものである。
それらの能力を鍛えるためには、まずは「面白くないと思った本を読むのを止める」という能力が大事なのである。


捨てるということに抵抗を感じる場合は、「後で読む」という選択もひとつだろう。
漠然と「後で」とするのはモヤモヤしてしまうから、「2週間後の〇月〇日〇時に読書再開」などと明確な日づけを決めて別の本に移るのもひとつでは。
それでもやはり楽しめないと思ったら、泣く泣く捨てる。

何にせよ。

どこかで一度は「つまらない本」に関する雑念を、心の外へ出してやらなければいけないのだ。

【マクベス】共犯ラブロマンス? 甘美な恋に溺れた一卵性夫婦の絆と破滅【シェイクスピア】

共犯関係。それは、甘美な愛の調味料。


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シェイクスピアの四大悲劇のひとつ・マクベスをご存知だろうか。僕はこの話が大好きだ。


好きなところは2つある。ひとつは「新生児の誕生の瞬間に立ち会った気分になるから」、もうひとつは「夫婦愛を強く感じるから」だ。
新生児の誕生については別記事に書くとして、本記事では「夫婦愛」について言及したい。

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さて議題に入る前に、まずはマクベス』のあらすじについてざっくりと紹介させてもらうとしよう。

スコットランドの武将マクベスは、妻であるマクベス夫人に唆されて王を殺害し、王位を奪う。そしてその地位を失うことへの不安から、マクベスは次々と殺人を重ねていく……。

 


とまあ、こんな感じなのだが。
そもそも何故マクベスは王をコロそうとしたのか?

 

マクベスは王を殺害した結果、自分が王位に就くことになった。マクベス夫人も、マクベスのことを『あなたは大いなる地位を求めている』と言っている。ということはやはり、これは「権力欲に囚われた男の転落劇」なのだろうか。そうだろう。それに間違いなどあるはずがない。
だが、本当にそれだけか。なにか別の目的が裏に隠れていないだろうか?

 

転落劇とは別の側面ーー。

僕はそれを、「愛を証明しようとした夫婦の、壮大なラブロマンス」だと思っている。

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シェイクスピア全集3 マクベス(訳:松岡和子さん、ちくま文庫の訳者あとがきに注目したい。

そこには、マクベスが妻への愛を証明するために殺人を犯した、という見方が記されているのだ。

 

1996年に行われた公演にて、演出家デイヴィッド・ルヴォー氏の役者へある指示をしたという。それを見て松岡さんは、「愛の証明」という見方があることに気づいたそうだ。
その特徴的な指示が出たのは、第2幕第3場、マクベスが王のつき人2人をコロした理由を述べるくだり。
『Th’expedition of my violent love/Outrun the pauser,reason.(激しい愛がほとばしり/理性の手綱を振り切った)』『Who could refrain,/That had a heart to love,/and in that heart/Courage,to make’s love known?(誰に我慢できる?/愛する心があり、その心に/愛を示す勇気があるなら)』
このシーンについてルヴォー氏は、マクベス役の松本幸四郎さんに、マクベス夫人に視線を釘づけにしたまま、これらのセリフを言うよう指示したのだという。

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セリフで言えばマクベス夫人のセリフにも、非常に気になるものがある。
権力のために王をコロすと決意したマクベスだったが、その後で実は一度、やっぱり殺人はやめようと妻に言っているのだ。その言葉を受けてマクベス夫人は、呆れかえってこのように言う。
『これからはあなたの愛もその程度だと思うことにします』
そう言われてマクベスは、王ゴロしへの意志を再燃させるのだ。

 

このくだりこそ、マクベスは妻への愛を証明するために殺人を行った」という見解の根拠なるのではなかろうか?

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さてここまで僕は、「何故マクベスは王を殺害しようとしたか」という疑問について言及した。ここからは逆に、マクベス夫人が」王ゴロしに固執した理由について考えよう。

 

彼女も本当に、求めるものは権威だけだったのだろうか。マクベス夫人もまた、「夫に愛を証明させるため」殺人を促し続けたのではなかろうか?

 

マクベス夫人の殺人教唆は、彼女なりの「可愛いおねだり」だったのかもしれない。

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物語の後半。殺人の重圧に耐えられずに夢遊病になった彼女は、こんな寝言を繰り返している。
『あなた、いい加減にしなさい。軍人のくせに怖いの?――誰が知ろうと、怖がることないじゃないですか。私たちの権力には誰も口出しできない』
情けない夫を叱咤する強い妻。物語の冒頭で見たその構図こそが、彼女にとっては幸福だったのかもしれない。

 

彼女がしたかったのは、関係性の維持や促進だったのではなかろうか。

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こんな風に、マクベス夫妻は殺人という甘美な関係性の中で、絆を深めようとしていた。

 

だが、二人の間に補うべき溝などなかったと僕は思う。

上述したそれぞれの行動が、僕の思考の根拠だ。

 

 


十分だったのに。

もっとお互いが相手の中に存在する、大きな愛に気づければよかったのに。

 

 

 

それができなかったことにこそ、この悲劇の原因はあると僕は思う。

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◆『マクベス シェイクスピア全集3』(訳:松岡和子さん、ちくま文庫)→【筑摩書房 シェイクスピア全集 3 マクベス / シェイクスピア 著, 松岡 和子 著